tips31 染料プリンタの宿命(退色)
      
               (退色前)                        (退色後)
 ようやく究極のプリンタを手にし、創作活動にも一段と熱が入るところである。
 しかし、鉄壁とも思えたカラーインクジェットプリンタ(染料インク)にも、大きな落とし穴が待ち受けていた。
 それは、染料インクがゆえに避けられない宿命とは・・・。


<ネット情報から> 
 最近は家庭用の低価格インクジェットプリンタでも簡単に高画質なプリントが得られるようになってきた。手軽で便利なのだが、インクの耐光性の問題が立ちはだかる。

 「部屋に飾っておいたらいつのまにか色が落ちて薄くなった」
 「ポケットアルバムに入れて保存していたのに久しぶりにみたら色が汚くなっていた」
 「最初は張りきって大判プリントしたり、色々な印刷を試したりしたが、すぐに色落ちしてしまうので、いつのまにか印刷しなくなってしまった」


 これらはインクジェットプリンタの耐光性に問題があり、色が落ちてしまったからである。せっかくの写真も長期保存できないのでは意味がない。
 一般に普及しているインクジェットプリンターを例にとると、画質の面では写真画質を実現してはいるが、これらの多くは染料系のインクを使用したもので、インクの耐光性(色落ち)についての問題が指摘されているのである。染料系インクジェットプリンタで印刷したプリントは、用紙にもよるが、空気に触れないようアルバムに保存し、暗所に保管した状態でも10年〜20年程度しか保証されていない。
(特に明るいところでの保存に弱く、陽のあたるところでは1年程度であきらかな退色が見られた例もある)


<染料インクから顔料インクへ>
 そこで登場したのが顔料系のインクを使用したインクジェットプリンタである。耐光性能を向上させ長期保存ができるうえ、画質面での課題を克服したものも発売されてきている。しかし、廉価で発売されている顔料インクを使用したインクジェットプリンタでは普通紙でもにじみにくい点や耐水性を大きくPRし、写真画質をあまり謳っていない状況である。
 現在E社から全色顔料インクのプリンタ(PM-4000PX)が発売され、その評価は高い。
 また、印刷見本を見る限り、写真画質は染料プリンタと遜色ないと思われる。
 しかし、やや高額なことと印刷速度が遅いなど課題も多く、早くC社から全色顔料インクを使用したA4インクジェットプリンタの発売を望みたいものである。


<染料プリンタに対策はないのか>
 考えあぐねた末、染料プリンタでの退色を防ぐ手立てについて、インターネットを利用して片っ端から検索を行ってみた。
 そしていくつかの有力な情報が手に入った。
 しかしである・・・。
 いざ買ったものの、本当に効果があるのであろうか。
 さりとて全てを試すほどの余裕もない。
 そこで遂に、一大決心に至るのである!...へ(__へ)☆\(^^;)

 私を含め、全色顔料インクを使用した家庭用インクジェットプリンタの発売を待てない諸兄のために、得られた有力な情報の中から、これと思わんものを独断と偏見で選び出し、限られた予算内で実験を試みることにした。

 
その方法とは・・・

◆ラミネート(ホット)

 診察券などでおなじみのパウチフィルム(糊の付いたフィルム)をラミネーターという機械を使い、熱で圧着させ密封させるもの。
 これなら空気にも触れずに退色防止の足しになるのでは・・・。
 しかし、紫外線カットのフィルムは高額であり、熱で処理することから印刷自身が変色しないかが不安材料である。
 (コールドタイプのフィルムも用意されているが高額)

◆手貼りラミネートフィルム
 C社から発売されている手貼り用ラミネートフィルムで印刷面(片面)に手貼りするものである。
 但し、完全密着まで平らなところに置いて24時間程度を要する。
 紫外線90%以上カットで変色・退色を防ぐという謳い文句にはかなり挽かれるものがある。

◆UV-cut PACK
 サイトを駆けずり回り、偶然見つけた優れもの。
 色あせの大敵、紫外線を99〜100%カットし、写真・デジカメプリント・感熱紙等の退色を防ぐというポケットタイプの袋。
 ラミネートなどと違って出し入れ自由な袋というもの魅力であり、その用途はかなり広いものと推察できる。


<果たして、その結果や如何に・・・>
 最初にお断りしておくが、退色テストにあたっては相当期間の観察が必要となることから、当面1ヶ月をテスト期間として観察した後に、結果リポートという形でお伝えすることとしたい。
 なお、8月31日から1ヶ月間の日程で開催することとなった「デジタル写真展・季節の彩り」をテストケースとして捉え、UV-cut PACKに装填して掲出した。
 お近くの方は、UV-cut PACK及びガラス越しの作品の状態を、実際にご覧いただければと思う。
 また、ラミネーター及び手張りラミネートフィルムについては、何度かテストを済ませており、使用感や用紙特性も含め次号(tips32)にて詳しくお伝えしたい。 
乞うご期待!