tips38 コンバージョンレンズの実力(広角編)
    

 最近のコンパクトデジカメは、一眼レフ顔負けのズーム機能を内蔵しているものの、普及型デジカメの中にはピント固定の単焦点レンズが多く存在している。
 また、ズーム機能が付いてはいても、中途半端で貧弱さが否めないデジカメズーム。そこでレンズ交換の出来ないデジカメの救世主として登場したのがコンバージョンレンズ。
 手軽で安価なアクセサリーとして、今、脚光を浴びている。
 さて、その実力とは如何に…。


<コンバージョンレンズとは>
 もともと、フィルムカメラやビデオカメラの世界ではよく知られているもので、レンズの前に取り付けて、手軽に「広角」や「望遠」などの効果を体感できるというしろもの。
 狭い室内や広大な風景、大きな建物などを写したいときなどには、ワイド(広角)コンバージョンレンズ。逆に被写体を大きくアップにしたり、遠くのものを写したいときなどには、テレ(望遠)コンバージョンレンズを使用する。
 いずれも手ごろな価格から高級タイプ(純正品など)のものまでいろいろ発売されているが、その実力は使ってみないと分からない。
 その実力の程を、2回にわたり実体験リポートする。


<ワイド(広角)コンバージョンレンズ>
 望遠もさることながら、狭い室内での撮影や広範囲を一度に写したいといった願望に答えてくれるワイドコンバージョンレンズ。大変重宝モノである。
 製品によっては、画面の四隅がケラられたり画質低下が見られるものもあるが、レンズ交換の出来ないデジカメ所有者にあまり選択の余地はない。
 出来うることなら純正品が用意されていればそれを使いたい。
 なお、コンバージョンレンズを装着するとそれまでとは写る範囲は変わってしまうので要注意。液晶モニター付きのデジカメなら液晶画面を見ながら撮影することをお勧めする。


<レンズへの装着>
 デジカメへの装着については、レンズの先端にフィルター用の溝が切ってあるタイプのものと、アタッチメント(補助器具)を利用して装着するタイプのものに大別される。
 先ずレンズの先端にフィルター用の溝が切ってあるデジカメなら、その溝を利用してレンズの先端に装着することになる。この場合、レンズにねじ込むことになるので取り付けに際しては、本体を痛めないよう又脱落しないように慎重に取り付けることをお勧めする。
 一方、レンズ周りにフィルター用の溝のないデジカメの場合、純正品でアタッチメントが用意されている場合と、コンバージョンレンズメーカーから発売されている場合がある。いずれもメーカーでは、対応機種名を掲げて発売しているので、購入の際は機種をよく確認のうえご検討いただきたい。
 なお、コンバージョンレンズの対応機種でないデジカメをお持ちの諸兄については、残念ながらこの恩恵に与ることは出来ないが、接写(クローズアップ)撮影の場合に限っては、大きめの虫眼鏡をレンズの前にあてることで擬似効果が得られるのでお試しあれ。


<苦い経験>
 過去に一度、コンパクトデジカメにコンバージョンレンズ(魚眼タイプ)を装着して撮影した経験がある。しかし、画面周辺がかなり流れ(ボケ)たり、色がにじむなど不満も少なくはなかった。
 そのコンバージョンレンズというのは、デジカメ用ではなくビデオカメラ用のもので、かつ、超広角というより魚眼(ファインダーの対角線上で180度写すことができる)に近いコンバージョンレンズ(かなり安価な商品)であったこともあり、そこまで結果を求めるのは酷な話だったかもしれない。
 しかしながら、過去に少なからず苦い経験をしているだけに下駄を履くまで安心は出来ないのである。
 あえて今回は、老舗カメラメーカーから発売される純正品ということでかすかな期待をもって望むことになった。


<実写リポート>
 これまでは、28ミリ(35ミリフィルムカメラ換算)までの広角撮影しかできなかったものが、コンバージョンレンズを装着することで22mmまでの広角撮影が可能となるのである。
 
「たかが6ミリと侮るなかれ!」
 後にこの6ミリが大きくモノを言うことになるのである。

 レンズ自身を痛めないように慎重に装着して、いざ撮影開始!
 (取扱説明書によればズームリングは28ミリに固定して撮影と記されている。つまりズーム機能は使えない)
 「うまく写ってくれ!」と、祈るように液晶画面に撮影画像を再生する。
 (撮影する以前にファインダーや液晶画面で、画面周辺での流れや色のにじみは分からないため)
 液晶画面に映し出された画像からは、画面周辺での流れや色のにじみは判別できない。
 そこでパソコンに転送して実際に印刷(プリント)することにした。

 その結果、画面周辺での流れや色のにじみはまったく見られない。なんと驚きである!
 勿論、これなら作品作りとしても十分通用する。
 実は正直なところ、設計の難しいとされるワイド(広角)コンバージョンレンズでここまで撮影できるとは思わなかった。

 サンプル画像は、荒おこしした「長谷の車田」を28ミリで撮影したものと、ワイド(広角)コンバージョン(22ミリ相当)で撮影したもので、それぞれ画角の違いをご覧いただければ幸である。(もちろん同じ位置に立って撮影である)

<28ミリ相当> ワイドコンバージョン使用<22ミリ相当>


<最後に>

 今回の実写リポートは、あくまでも機種を限定してケースではあるが、レンズ交換の出来ないデジカメ所有者にとって、このうえない関心ごと。
 デジカメライフの参考としていただければ幸である。
 次号では、テレ(望遠)コンバージョンレンズについてリポートしてみたい。