tips42 夏の風物詩、花火を撮る!
    

 夜空を彩る大スターマイン!
 夏の風物詩といわれる花火大会の時期がやってきた。近くの宮川河畔で行われる「伊勢神宮奉納花火大会」も、大勢の人でにぎわっていた。
 “一瞬の光の芸術”を、ぜひデジカメに収めたいという願望は、皆さんお持ちのことと思う。
 高級デジカメは言うに及ばずコンパクトデジカメでそれなりに撮影する方法があるとしたら…。


<はじめに>
 最初にお断りしておくが、高級デジカメとコンパクトデジカメでは、その差は余りにも大きすぎる。
 しかし、作品を作り上げるのならまだしも、花火を楽しみながらついでにデジカメでも「パチリ!」
 うまくいけばホームページに載せて見ようかというくらいなら実現は可能である。
 そのためには、いくつかコツと最後にものをいうのは慣れである。
 以下の記述と自分のデジカメの機能とを照らし合わせ、ぜひともデジカメで花火撮影にチャレンジしてもらいたいものである。


<特徴>
 花火を撮るためには、スローシャッター(4秒前後)が必要とされる。
 そのためには、高級機のように露出優先やシャッター速度優先といったモードを搭載している必要がある。
 しかし、高級機でなくてもメニューの中にP/A/S/Mというような区分があれば十分である。
 また、最近のデジカメでは「花火撮影」という撮影モードが搭載されたものも出回っており、これを利用するのもいい。

◆ピント
 オートフォーカスは解除して、マニュアルフォーカスで無限遠(∞という記号)に設定する。
◆絞り
 「夜空に上がる花火は暗いもの」という先入観が先にたつが、実のところは意外なほどに明るい。
 写真の世界では、絞り値はF5.6〜F8がセオリーとされており、お奨めはF8。
◆シャッター速度
 バルブモード※(シャッターボタンを押しているあいだシャッターが開き、指を離した瞬間に閉じる)があれば、4秒前後を目安としたい。
※高級機と呼ばれるものにしかついていない機能
 そこで、バルブ撮影ができない場合には、絞り優先モードで絞りをF8に設定することもひとつ。
 コンパクトカメラでも絞り優先モードがついていれば、この方法で結構な画像が撮れるものである。
◆ISO感度
 オートにすると夜景モードのように勝手にISO感度が高くなってしまうことがある。
 (ISO感度が高くなると、白飛びと呼ばれる現象がおきて花火の色が出なくなってしまう)
 出来ればISO感度は設定できる最低値にしておきたい。


<ここからが本論>
 それでは、マニュアルモードもない、(普通の)コンパクトデジカメではまったく撮れないのか……というと、意外とそうでもないのである。

 花火が炸裂してから開くまでの時間というのは種類や大きさにもよるが、およそ4秒くらいといったところ。
 人間の目とは違い、カメラはシャッターが開いてる時間しか撮影ができないのである。
 コンパクトデジカメの場合、機種によって暗いところにどれだけ対処できるかは違ってくるので一概にはいえないが、マニュアル露出が可能ならこれで、ダメなら花火モードや夜景モードを、絞り優先モード(Aモード)がついていれば、絞りをF8に設定して、後は撮影に専念するのみ。
 何もついていない場合には、最低限フラッシュの設定を、発光禁止にしておいていただきたい。


<それより重要な構図とシャッターチャンス>
 何しろ打ち上げ花火は、同じところから連続で打ち上げられるとは限らない。
 一定の範囲に打ち上げ用の筒をいくつも用意して打ち上げられるため、カメラを構えて狙っていた場所と、実際に打ち上がった場所がずれるものだということを、念頭においていただきたい。
 花火が上がる高さもその都度違うので、狙った構図で捉えるのは結構難しいのである。

 構図と同様、シャッターを押すタイミングも難しい。
 「シャッターを切ったはずなのに、その次の瞬間しか写ってない」という経験はなかろうか?
 これがチャンスを遅らす原因、“シャッターラグ”の正体なのだ。
 肉眼で花火が炸裂したのを確認してからシャッターを押したのでは、あとの祭り。
 花火が開くかな? と感じる少し前にシャッターを押しはじめるのがちょうどいい。
 とはいえ、口で言うほど簡単ではないのは事実。(^^;

 「下手な鉄砲数打ちゃ当たる」
 失敗を悔やまず(恐れず)とにかく撮るのみ。
 いくらでも失敗できる?デジカメのよさ(電池は減るが)を最大限利用して、たくさん撮影した中にそれなりの写真が何枚か入っていればOKという位の気持ちで望みたいものである。


<面倒でも三脚を>

 なにはなくとも「…」テレビのCMではないが、花火写真には三脚である。
 前述したように花火を撮るためには、4秒前後シャッターを開けておく必要があり、その間、手ブレを起こさずにいられることは先ず不可能である。
 今はやりの手ブレ防止付きデジカメでも無理な相談である。
 道路やガードレール、車の屋根などに固定するのもひとつであるが、ブレない保証はない。
 というわけで、花火には三脚が必要となるわけである。


<こういう裏技も>
 コンパクトカメラでもっとも臨場感を伝える方法…。
 「そう!」デジタルカメラには、もっと手軽に花火の臨場感を伝える手段がある。
 何を隠そう“動画モード”である。
 多くのコンパクトデジタルカメラには、大なり小なりの動画モードを搭載しているものが多い。
 これを使えばそれなりに臨場感は伝わるはずである。


<最後に>
 花火を撮影するときは、常に風上に立つことをお薦めしたい。
 さもなくば、煙にまみれて苦しむだけでなく「肝心の花火は何処か?」というような写真しか撮れなくなってしまうのである。

 以上いろいろ紹介してきたが、早い話「花火の写真は考えてから撮るのではなく、撮ってから考える」ことである。
 これが、「コンパクトカメラで花火を撮影する一番の近道」であるといっても過言ではない。
 「成功を祈る!」