tips45 フィルムスキャナーの実力!
    

 デジカメ世代はともかくとして、「これまで撮り貯めたフィルムを何とかして生き返らせたい」と願う、いわゆる銀塩写真世代の人も多いのではなかろうか。
 そこで出番となるのがフィルムスキャナーである。
 比較的安価で高画質、しかも簡単にデジタル化できるなら…。


<フィルムスキャナーとは>
 文字通りネガやポジフィルムに光を当てて、透過光から画像を読み取るもので、かなり以前から商品化されてきた。
 しかしながら、取り扱いや操作方法が難しいことなどから、なかなかとっつき難かったというのが、正直なところである。
 最近になって、フラットヘッドスキャナーとよばれるコピー機のようなイメージスキャナーに、透過原稿用のユニットを付けたものが多く出回るようになり、手軽にデジタル化が出来るようになってきたが、高画質という点ではフィルムスキャナーには到底及ばない。


<フィルムスキャナーの遍歴>
 筆者は1993年頃、N社のCOOLSCAN(初代機)を購入。当時はピント合わせもマニュアルで、その取扱には大変苦労させられた思い出がある。のちに2世代機にバージョンアップしたが、当時、まともに(写真画質で)出力できるプリンタがなかったのがネックであった。
 もちろん第2世代機といっても、操作方法はお世辞にも使いやすいとは程遠いものだった。


<あえていま>
 デジタル全盛時代にあえて選ぶフィルムスキャナー。
 過去の苦い経験を引きずりながらも、簡単便利でしかも高画質(ずいぶん欲深い)、おまけに安価なら言うことなし。
 品定めの末に選んだのが、CM社のDiMAGEScan Elite5400。
 簡単・便利で高画質の行方やいかに・・・。


<正直言って・・・>
 今回、新機種導入にあたっては、過去の苦い経験からあえていくつかのハードルを準備した。
 ・何せ大事なフィルムを直接手で扱うだけに、手袋着用のうえいかにホコリを除去するか
 ・またフィルムに付着した指紋を取り除くのはかなりリスクが大きいこと
 ・そのうえフィルムフォルダーにセットする際不要な傷が着かないかなど

 これらは準備段階での最も重視するポイントである。

 次に付属するドライバソフトの使い勝手も重要なポイントとなる。
 
・マニュアルははっきり言って理解し難い
 ・ヘルプ機能はあっても、素人には用語すら理解し難い表記が多い
 ・ガイドに従って容易に操作が出来るか
 ・できればボタンひとつで簡単に操作できる機能を


 マニュアルの改善は所詮無理な話であるが、例えば対話型のガイドに沿って進めるだけですべての作業が完結するような、そんな機能をユーザーは望んでいる。これがクリアできなければ、はっきり言ってフィルムスキャナーに明日はない。


<簡単・便利・高画質?>

 セットアップの興奮冷めやらぬうちに、知人から依頼されたネガフィルムのデジタルプリント。しかも大伸ばしで・・・とのリクエストである。
 まずは本体前面のScanボタンを押して、画面に表示されるメニューから「簡単スキャンユーティリティ」を選ぶ。

   

 そしてネガフィルムをフィルムカバー一体型の35mmフィルムホルダにいれ、前面差込口から挿入。
 次に、フィルムの種類を選んで<進む>ボタンを押す。すると自動的に6コマが読み込まれる(インデックススキャン)。目的のコマを選び次へ用途(例えばA4プリント)を選んで取り込み実行ボタンを押すとスキャン開始。そしてプリントボタンを押せば、簡単・便利で高画質のプリントの完成である。
 
※これを読んで、何か騙されたような・・・とお思いの諸兄も多いのではなかろうか。

 でも安心あれ!
 とりあえずは、簡単な操作ガイドに沿って進むだけでいいのである。
 
ここまで簡単だと、何か物足りなくなるのは世の常か…(^^;


<実体験リポートから>
 ひととおり使ってみて、新機種導入にあたってのハードルは全てクリアされている。
 また、さまざまな口コミ情報からいろいろな場面を想定してきたが、正直なところすばらしいの一言である。
 不満な点も無くはないが、これでフィルムスキャナーに対すえる考え方を改めなければならないと思う次第である。
 気のついた点を列記してみると…

 大事なフィルムをいかに傷つけずに扱うかが最大のポイントと記載したように、ホコリはブロアーなどで除去したとしても指紋まではこするわけにもいかず、さりとて薬品を使うのもリスクが大きすぎる。そこで登場するのが「Digital ICE」である。
 フィルム上のキズやホコリ、指紋、カビなど不要な情報を自動検知して補正する機能で、レタッチソフトウェアを使った補正よりも精細である。これで、簡単にホコリを払うだけで取り扱いに神経を使わずにすむのは大変ありがたい。
 なお、「Digital ICE」をONにするとスキャンに要する時間は延びるが、それでもお釣りの来る離せないツールである。
 但し、フィルムを装着するフォルダーはお世辞にもしっかりしているとは言い難く、かなり“ガタ”や“反り”が見られるが、指で軽く押さえながら挿入口から入れれば、後はスキャナーがうまく密着させ、万事お任せとなるので気にすることはないのかと。

   

 心配していたオートフォーカスも問題なくすべてお任せ。

 最高5400dpiという解像度は、ピクセルにして5232×7800の合計40,809,600ピクセル(約4000万画素)
 現在、最高峰のデジタルカメラが1000万画素を少し超える程度であることを考えると驚くほどの画素数なのである。
 気になるファイルサイズであるが、初期設定の1350dpiで500KB、2700dpiで10MB超、5400dpiではさすがに100MBを超えてくる。
 そこで独断と偏見ながら(大きく取り込んで小さくリサイズしたほうが画質的には有利であること)の目安を掲げるとすれば・・・
 ・ホームページやファイルに貼り付けるなら1350dpi
 ・A4サイズに高画質プリントするならば2700dpi
 ・それ以上のサイズをお望みならば(パソコンやハードディスク、プリンタなどと相談して)まよわず5400dpi

 試しに2700dpisでポジフィルムをスキャンし、A4でプリントアウトしてみたが十分な仕上がりであった。

 前述した「簡単スキャンユーティリティ」もさることながら、「標準スキャンユーティリティ」もかなり使いやすくなっている。
 作業工程は、インデックススキャン(6コマ自動)を行い、スキャンしたい画像を選んでプレビュースキャン。露光調整や画像補正ののち本スキャンして作業終了。
 ここで特筆すべきは、PhotoShopなどの定番レタッチソフトでお馴染みの「トーンカーブ」や「ヒストグラム」などの補正機能が装備されていること。メニューの呼称や機能、操作方法にいたるまでPhotoShopなどとほぼ統一されており、本スキャン前に手軽に(プレビュー画面で)仕上がりを見ながら補正できるのは大変ありがたい。
 もちろん「明るさ・コントラスト・カラーバランス」や「色相・彩度・明度」などの補正や「アンシャープマスク」、退色補正機能や粒状性軽減機能、マニュアルフォーカス機能、画像のトリミング・回転・拡大・縮小も思いのまま。これなら高価なレタッチソフトはいらないのかも・・・。

 参考までに、さまざまな口コミ情報では、「ポジ専用?でネガフィルムに弱い?」と言われているが、実際にスキャンしてみても何ら支障も無くきれいに仕上がっている。
 実際にカメラ店で、フィルムから大伸ばししたプリントでも、色かぶりの影響や焼きこみ具合により出来上がりは様々。作者の好みによって評価も変わってこよう。(サービス版や2L版では安定した色は出ないため、比較対照にはならない)
 よって、作者の意図が反映できるように補正すればいいのではなかろうか。それだけの機能は揃っており十分ニーズにこたえてくれよう。
 実際のところ、ほぼストレート(若干レベル補正などの微調整だけ)で、十分な作品に仕上がることを追記しておきたい。


<最後に>
 解像度の設定と必要に応じて「トーンカーブ」や「ヒストグラム」などで補正、あとは自動ですべて処理してくれる。
 こんなすばらしいスキャナーも、使い込むに従い「あんな機能も、こんな機能も」と欲が出てくることは否めないが、導入後わずか2時間ほどでここまで出来るとは思いもよらなかった。銀塩時代の資産を家庭用のプリンタで、高画質でしかも手軽にプリント出来ればとの長年の夢がかなった瞬間であった。
 今度はさらに高画質プリントが可能な、安価なA3インクジェットプリンタの登場を望みたい。

 「デジタル全盛時代になぜフィルムスキャナー?」
 「デジカメ画像だけでなく、銀塩フィルムを手軽にデジタル化し、家庭で気軽に印刷を!」
 いままさにそういう時代になったのである。

 
銀塩諸兄のデジタルワークに幸あらんことを!